5 月14日(土)
『雨に殺せば』を読了し、次もまた黒川氏の黒マメコンビ第3作『八号古墳に消えて』を24頁まで読みました。『雨に殺せば』は作者2回目のサントリーミステリー大賞応募作で、デビュー作の『二度のお別れ』といっしょでこちらも佳作に入選されたということです。現金輸送車がおそわれ、二人の銀行員が射殺され、1億あまりが強奪されました。
銀行員が後頭部を撃たれて死んでいたという描写があり、ウクライナ戦争のブチャでロシア軍によって射殺された民間人のことを思いだしました。そんな残酷なことを平然とおこなったとして、それ以降殺人者はまともな人生を送り続けることができるのでしょうか一度外れてしまった箍は元に戻ることはないのではないでしょうか。そうすると、それからもずっと人を殺しても平然と生き続ける、というわけで殺人を生きている限り営々と続けていく、という事になるのではないでしょうか。
戦争と戦争の中での殺人ということは、兵器で人を殺しても、自分は生き続け、また、次に人を殺して、それでも生きていく、ということを生ずるのだと思います。
『雨に殺せば』は銀行の業務や銀行のあり方の問題点もよくえぐり出されていると思いました。自分にとって、印象的だったことは、冷酷な現金輸送車に乗っていた銀行員の後頭部を撃ち抜く射殺の描写でした。ウクライナの戦争犯罪につながっているな、と思います。
ウクライナに平和を!
本日はこんなところで。